【名 称】 | 「輝けるロマン派の作曲家たち~リスト生誕200年~」関西展 |
【会 場】 | 関西国際文化センター 3F展示室 |
住所:兵庫県神戸市中央区浜辺通6-3-16(JR、阪神、阪急、地下鉄三宮駅 徒歩10分) | |
【期 間】 | 2011年7月23日(土)~8月7日(日) |
【開催時間】 | 10:00~17:00(入館は16:30まで) |
【入場料金】 | 無料 |
【お問合せ】 | MIN-ON関西 06-6761-0276(平日10:00~17:00) |
【主 催】 | 民音音楽博物館 |
【後 援】 | 兵庫県、神戸市、神戸市教育委員会、神戸新聞社、サンテレビジョン、ラジオ関西 |
【協 力】 | アマラウ・ビエイラ(ピアニスト)、新渡戸常憲(音楽学博士、十和田市立新渡戸記念館) |
ロマン派の時代―――それは作曲家が個性を追求し始めた時代、そして民衆が自由に音楽を享受した時代であります。
18世紀後期に産業革命が起き、ヨーロッパで市民生活が豊かになり始めた頃、音楽は市民生活の中で楽しまれるようになりました。19世紀に入り、演奏会へ足を運ぶだけでなく、家庭でピアノを楽しむ市民が急増しました。そのような状況の中、多くの人に親しまれるピアノの小作品が人気を呼び、超絶技巧のヴィルトゥオーソへの熱狂的な人気が生じてきます。また、音楽雑誌が普及し演奏会、作品に対する批評が活発に行わるようになりました。また、言葉では表しきれない内面や感情を音楽によって表現しようとする作曲家も現れたのもこの時代です。
今回の展示では、ロマン派を生きた作曲家で、本年で生誕200年を迎えるフランツ・リストに焦点をあて、その生涯と作品について、当館の所蔵の自筆楽譜や自筆書簡を初めて公開展示するとともに、パネル解説でわかりやすく紹介をしております。
本展示を通して、民衆が自由をつかんだ時代に大きく開花した音楽文化に触れ、芸術家の遺した「ロマン」を感じて頂ければ幸甚です。
ご友人、ご家族とお揃いで是非、足をお運びいただけますよう、ご来場を心からお待ちしております。
フランツ・リスト(1811-1886)はロマン派の芸術家で、ヨーロッパで最も賞賛された超絶技巧のピアニストでした。スキャンダルな異性関係を持つと同時に、信心深いという側面も持っていました。
ハンガリーのドイツ語圈で生まれ、子どもの頃から神童といわれます。リストが12歳のときに、一家はパリに引っ越しました。外国人であることが理由でパリの音楽院への入学の道は閉ざされましたが、パリは少年リストの才能を伸ばすのに最適な場所となりました。彼はここで音楽界を牽引する巨匠たちとの出会いがありました。その中にはベルリオーズ、ショパン、パガニーニなどがいました。時代は「ヴィルトゥオーソ」が注目の的となる時代でした。彼はすぐに現代のスターに匹敵するような、セレブリティとしての自分の地位に昇りつめます。必然的に異性からの注目を浴びることになり、ヨーロッパ中の女性たちは彼を見て夢中になり、熱狂したのです。
リストは15年間のピアニストとしてのキャリアを捨て、ワイマールの宮廷楽長としての地位を受け入れ、10年の間、新しい音楽を推進し、指揮者、指導者として過ごしました。この頃、彼は作曲の上で進歩的な「新ドイツ楽派」の事実上の指導者になっていました。晩年、カトリック教会の下級聖識者になり聖職者リストとして知られることになります。彼は残された20年間をローマ、ワイマール、ブダベストとの間を行き来しながら過ごしました。1886年にバイロイトヘの旅に行く途中、肺炎を発作し7月31日、75歳でその生涯を閉じました。
1. ロマン派年表 | ロマン派と呼ばれる19世紀の音楽史を世界史、日本史とともに紹介しています |
2. フランツ・リストの生涯 | 「リストの年表」、「旅するヴィルトゥオーソ・リスト」、「ワイマールでのリスト」、「晩年のリスト」等と題し、リストの生涯をかわりやすく紹介しています。 |
3. リストを取り巻く芸術家たち | ベートーヴェン、チェルニー、ワーグナー、ベルリオーズなど、リストの生涯に影響を与えた作曲家たちを紹介しています。 |
4. ロマン派を代表する芸術家と主な作品 | 主な作曲家を写真と代表的な作品名とともに紹介しております。 |
5. リストを描いたカリカチュア | リストの振る舞いは風刺画の格好の種となりました。当時どれほど注目されたか伺い知ることができます |
●自筆楽譜 |
リスト自筆入り筆写譜 Franz Liszt, Autograph manuscript of score ハンガリー 1844年 |
フランツ・リスト(1811~1886)の自筆入り筆写譜。作品名「墓とばら」(La tombe et la rose)のピアノと声楽譜。歌詩(作詩)はビクトル・ユゴー。全頁8頁 |
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ドニゼッティ自筆譜 Gaetano Donizetti, Autograph manuscript of score イタリア 1820~1830年 |
ガエターノ・ドニゼッティ(1797~1848)作曲の「エーロとレアンドロ(Ero e Leandro)」(ソプラノ2人とピアノの変ホ長調)の自筆譜。表題頁に"B.Zenetti"の署名入りで考証されている。この作曲は、従来の作品表には記入されていないので、出版されていなかったものと思われる。全7頁、長方形二つ折り。 | |
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フォーレ自筆譜(引用譜)Gabriel Faure, Autograph musical quotation フランス 1908年12月27日 |
ガブリエル・フォーレ(1845~1924)作曲の「ヴァイオリン・ソナタ第1番イ長調」(1876年作曲)からの引用譜であり、自筆サイン入り。引用部分は、第1楽章の初めの5小節 | |
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グノー自筆譜 Charles Gounod, Autograph manuscript of score フランス 1867年 |
シャルル・グノー(1818~1893)の<狩りの唄>合唱譜(テナー・パート譜)2ページ、78小節の引用譜。 | |
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プッチーニ自筆引用譜 Giacomo Puccini, Autograph musical quotation イタリア 1905年10月14日 |
ジャコモ・プッチーニ(1858~1924)作曲の歌劇「蝶々夫人」より'Butterfly'のサイン入り自筆楽譜と歌詞の抜き書き。1ページ。1905年10月14日ロンドン。"Bimba dagli ochi..."と太くペン書きされてある歌詞と楽譜の抜き書きは歌劇「蝶々夫人」の第一幕"愛の二重唱"の中の一部分で、自筆サイン付 | |
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サン=サーンス自筆譜Charles Camille Saint Sa?ns, Autograph manuscript of score フランス 1897年 |
カミーユ・サン=サーンス(1835~1921)62歳の時の自筆原稿。「著者よりデュヴィヴィエ夫人に尊敬と好意をこめて記念に」という献辞が付けられている作品「舟唄(Barcarolle)」の自筆譜(声楽譜)。自筆サイン入り、献辞入り自筆楽譜(全9頁) | |
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クララ・シューマン自筆譜 Clara Schumann, Autograph manuscript of score ドイツ 1891年11月 |
<作品>6つの歌 作品13 No.4 クララ・シューマン(1819~1896)は、ロベルト・シューマンの妻で著名なピアニストでもあった。作曲家としての作品も紹介されており、この楽譜はエマニュエル・ゲイベルの詩をクララが譜をつけたもの。作曲年代は、ロベルトと結婚して間もない頃と思われる。出版は1844年。 |
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ヨハン・シュトラウス自筆引用譜 Johann Strauss II, Autograph musical quotation オーストリア 1895年5月26日 |
ヨハン・シュトラウスⅡ世(1825~1899)作曲の「皇帝円舞曲」(Kaiserwalzer/1888年作曲)から8小節の引用譜で、自筆サイン入り。 | |
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●自筆書簡 | リスト自筆書簡 Franz Liszt, Autograph letter ハンガリー 1851年2月4日 |
フランツ・リストの秘書ベローニ(Belloni)宛ての自筆書簡。内容は、ショパンについての自分の書籍出版について書かれている。4頁、8つ折りで畳んだ折り目付きである。多少色がさめている。当書簡は、19世紀の史上最高というべき2人のピアニストを結びつけるもので貴重な意味を持っている。ショパンは、2年前(1849年)に亡くなっていて、リストは自著≪ショパン≫を出している。 |
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リスト自筆書簡 Franz Liszt, Autograph letter ハンガリー 1876年12月14日 |
バッハの生誕地に胸像を作る話がなかなか進まず、なんとか先に進めようとしていることを友人に書いている手紙。アマラウ・ビエイラ氏所蔵 | |
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ベルリオーズ自筆書簡 Autograph letter (Hector Berlioz) フランス 1836年11月14日頃 |
エクトール・ベルリオーズ(1803~1869)が、ビクトル・ユゴーに宛てた書簡。ベルリオーズが、妻と共に劇場を訪れるので、そこでユゴーと会いたいと書かれている。ベルリオーズは1842年に離婚しているので、その前であることがわかる。日付、地名など未記載であるが、「ユゴー作の初演時」の会談?であるとみられる。ベルリオーズとユゴーは友人同士の仲。1ページ、4つ折りで端が少々傷んでいる。 | |
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マーラー自筆書簡 Gustav Mahler, Autograph letter オーストリア 1890年代 |
グスタフ・マーラー(1860~1911)の署名入り自筆書簡。妹のEmma宛ての書簡で、弟のAloisへの手紙をわたすよう、さらに、別の弟のOttoの消息を伝えるよう頼んでいる。「3月14日」とあるが年は不明。1889~1895年の間のものと思われる。 | |
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ブラームス自筆書簡 Johannes Brahms, Autograph letter ドイツ 1878年7月25日 |
ヨハネス・ブラームス(1833~1897)が45歳の頃に書かれた友人(作曲家と思われる)宛ての書簡。自分の作品の一部分を批評して頂こうと譜例を付けたもの。相手方に大変気を使った文面と見受けられる。 | |
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ブラームス自筆書簡 Johannes Brahms, Autograph letter ドイツ 1884年12月10日 |
ヨハネス・ブラームス(1833~1897)が楽譜出版者(社)、ジムロックに宛てた自筆書簡。自身の作品(op.92)とブルッフのシンフォニーについての所感を述べたもの。51歳の筆。 | |
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グリーグ自筆書簡 Edvard grieg, Autograph letter ノルウェー 1903年3月13日 |
エドワルド・グリーグ(1843~1907)の署名入り自筆書簡。1903年3月13日、Miss Lili宛ての書簡で、自分は気管支炎のため外出できない。しばらくコペンハーゲンを離れて静養のため外国に行きたい旨を述べている。 | |
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メンデルスゾーンの自筆書簡 Felix Mendelssohn-Bartholdy, Autograph letter ドイツ 1839年9月30日 |
フェリックス・メンデルスゾーン(1809~1847)30歳の時のもの。音楽愛好家のS.シュロス嬢にライプチヒ市の音楽界の現状を知らせた書簡。自筆サイン入り。 | |
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プッチーニ自筆書簡Giacomo Puccini, Autograph letter イタリア 1916年1月29日 |
ジャコモ・プッチーニ(1858~1924)58歳の時のもの。作曲家ベルテ(オーストリア系ハンガリー人/Harry Berte1857~1924)に宛てたもので自作の歌劇"ロンティーディ"の初演について述べた書簡。 | |
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ロッシーニ自筆書簡 Gioacchino Rossini, Autograph letter イタリア 1845年4月26日 |
ジョアッキーノ・ロッシーニ(1792~1868)53歳の時、ドニゼッティにトロンボーン奏者を紹介した書簡。 | |
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クララ・シューマン自筆書簡 Clara Schumann, Autograph letter ドイツ 1867年9月24日 |
クララ・シューマン(1819~1896)48歳の時、コンサートの打ち合わせについての自筆書簡。大変に達筆な、才気あふれた書体のもの。宛先不明。自筆サイン入り。 | |
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シューベルト自筆楽譜 Franz Schubert, Autograph manuscript of music(part score) 「ミサ曲第5番変イ長調」より第1ファゴット・パート Messe No.5 As Major D678 "Zum Grave im Credo" オーストリア 1819~1822年 |
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●ファクシミリ譜 | リスト自筆ファクシミリ譜 歌曲「それは素晴らしいことに違いない」 『Es mu? ein Wunderbares sein...』S.314 R.590 Nationale Forschungs-und Gedenkst?tten der klassischen deutschen Literatur in WEIMAR |
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19のハンガリー狂詩曲よりNo.19 S.244 R.106 『X IX HUNGARIAN RHAPSODY FOR PIANO SOLO』 EDITIO MUSICA BUDAPEST |
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ピアノソナタ ロ短調 S.178 R.21 『KLAVIER SONATE H-MOLL』 G.HENLE VERLAG MUNCHEN 1973 |
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●初版譜 | シューベルト「冬の旅」初版譜 Franz Shubert, Piano vocal score オーストリア 1828~1829年 (ピアノ・ヴォーカル・スコア)Winterrreise op.89, D911 |
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●フランツ・リスト カリカチュア (風刺画) |
「オラトリウム」 「アポラオシス」 「タイトル不詳」 30cm×40cm 作者不詳 19世紀 ハンガリー 新渡戸常憲氏所蔵 |